姉の結婚式で、私はカメラマンのアシスタントのような立場を頼まれていました。プロの写真屋さんが式全体を撮影してくれる一方で、家族目線での自然な瞬間を動画に収めておいてほしいという姉たっての希望があったからです。
正直、カメラの扱いなど詳しくない私にとって、その役目は思った以上のプレッシャーでした。式次第を何度も確認し、どのタイミングで何が起こるかを頭に叩き込んでいたのですが、実は当日、私にも知らされていない仕掛けがひとつ用意されていました。それが、披露宴後半の再入場のシーンだったのです。
新郎新婦が控室から戻ってくるタイミングで、会場の照明が落ち、参加していた友人たちが一斉に立ち上がりました。何が起きるのか把握していなかった私は完全に不意を突かれ、慌ててカメラを構え直したのですが、
結婚式の再入場でグレイテストショーマンの楽曲に合わせて踊りが始まった瞬間、驚きのあまり数秒間シャッターを切るのを忘れてしまいました。
後から映像を見返すと、まさに一番盛り上がった序盤の十秒ほどがすっぽり抜け落ちていて、姉には「あそこだけ肝心なところが撮れてない」と笑いながら怒られてしまいました。それでも、姉が驚きながらも笑顔で手を叩いていた姿や、義兄が照れくさそうに友人たちに交じって踊っていた様子は、しっかり心に焼き付いています。
映像には残せなかったけれど、あの十秒間の空気だけは今でも鮮明に思い出せます。失敗も含めて、忘れられない一日になりました。