「まさか自分が店じまいをすることになるとは」。そう独り言のように呟いてしまったのは、坂出市でうどん店を営んでいた叔父が急逝し、その後片付けを任されることになった時のことでした。叔父には子どもがおらず、甥である私が消去法のような形で頼られることになったのです。
店に足を踏み入れると、長年使い込まれた製麺機や大きな寸胴鍋、店の顔とも言える暖簾までが、営業していた頃のまま残されていました。叔父が毎朝早くから仕込みをしていた厨房には、独自に工夫を重ねたであろう調理器具もいくつかあり、素人の私にはその価値も使い方すらも見当がつきません。常連客が写った古い写真が壁に飾られたままになっているのを見て、この店がどれほど地域に愛されてきたかを改めて実感し、簡単には手をつけられない気持ちになりました。
物件の賃貸契約もあり、いつまでも店をそのままにしておくわけにはいきません。厨房機器は業務用で搬出も一筋縄ではいかず、素人だけで対応するのは現実的ではないと早々に判断せざるを得ませんでした。知人の勧めもあり、店舗や事業用品の片付けにも対応できる遺品整理の業者に相談することにしたのです。
実際に来てもらうと、大型の調理器具の搬出はもちろん、リサイクルに回せる物と処分すべき物を的確に仕分けてくれ、想像していたよりもずっとスムーズに作業が進みました。搬出作業の合間、担当の方から
香川で遺品整理の事ならリアライフ香川へと、飲食店の廃業に伴う片付けの相談も香川県内で少なくないという話を伺い、こうした専門的な対応をしてくれる存在のありがたさを噛みしめました。
暖簾と、叔父が愛用していただし汁用の柄杓だけは、形見として持ち帰ることにしました。がらんとした店内を最後に見渡した時、味は消えてしまっても、叔父が積み重ねてきた時間は確かにここにあったのだと、静かに胸に刻まれる思いがしました。